ビジネスローンとファクタリングの違い

ビジネスローンやファクタリングは、事業者が事業資金を手に入れる方法です。混同されることが多い2つですが、融資を受けるか・債権を買い取ってもらうか、という違いがあります。

そもそもビジネスローンとは

ビジネスローンにおいて大切なのは、融資を受ける会社の信用です。返済できる見込みがなければ、融資を受けるのは難しいでしょう。また個人契約だとカードローンが利用できるため、ビジネスローンは個人事業主への融資を積極的に行っているのも特徴の一つです。

限度額は会社によって異なります。500万円までや1000万円までのところが多いでしょう。条件がそろっていればさらに高い金額の融資を受けることも可能です。ただし、融資可能期間が短い会社は注意が必要でしょう。

そもそもファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛金を譲渡して現金化することです。買取型と保証型の2種類あり、「現金化」を目的とするならば、売掛金を現金化できる「買取ファクタリング」が適しています。日本では通常、商品・サービスの提供後に、代金を回収します。このような信用取引の場合、売掛金を回収するのは数ヶ月先になるため、現金が入るのが先送りに。その場合のリスクとして挙げられるのが、入金遅れによって資金難になることです。ファクタリングでは売掛金をすぐに現金化できるため、売掛金が入るまえの間に資金難に陥る、というリスクを防げます。

ファクタリングはビジネスローンとは違い、貸金(借金)ではありません。特に「買取ファクタリング」は、自社ではなく売掛先の信用が審査されるため、中小企業でも利用しやすいのが特徴です。そのため中小企業がファクタリング会社を行うことが増えています。ビジネスローンとは違い、手数料がかかることもあるので、よく契約書を確認しておきましょう。

ファクタリングのメリット

中小企業がファクタリングを使うメリットは、債権を売って資金を得る会社の信用は問われないこと。審査対象となるのは、売掛金を振り出す会社、つまり取引先です。もし自社の経営が火の車でも、振り出し先の信用が確かであれば現金化できる可能性もあります。

売上債権の信用が高い場合、高額な売上債権も買取りが可能です。ファクタリングでは1億までの買取りができる会社も多いため、「銀行に融資を断られたものの、高額の資金が必要」という会社に向いています。

事業者ローンとファクタリングの似ているところ

どちらも、銀行から融資を断られたり銀行の融資の枠がいっぱいだったりして審査を申し込めなくても、資金を調達できます。

銀行の融資の場合、審査に時間がかかります。比べて事業者ローンやファクタリングの審査はスピーディーで、審査も銀行より甘いことが多く、助かる会社も多いでしょう。保証人が必要ないため審査の申し込みがしやすく、主に中小企業が利用を考える資金の調達法です。

事業者ローンとファクタリングの違い

銀行で融資を受けるよりも審査の甘い事業者ローンとファクタリング。一見似ているようですが、どのように違うのでしょうか。

資金調達可能額の違い

事業者ローンの場合

事業者ローンは担保が必要なく、保証人も必要ありません。今までの借入額の確認がありますが、審査基準は厳しくなく、個人事業主でも借りやすいローンです。借り入れ限度は、多くて1000万円ほど。ただし返済状況が今後の融資へ影響しますので、返済スケジュールを事前に考慮しておいてください。

ファクタリングの場合

ファクタリングは、お金を調達する時に売上債権が必要です。売上先の信用が審査にとって大事ですが、お金を調達する会社に責務の超過など、不利な条件があっても審査によっては利用が可能。上限額は1億円以上と、事業者ローンよりも多い金額を調達できることがあるでしょう。

融資への影響度

事業者ローンの場合

事業者ローンは、一言でまとめると「借金」です。会社の書類にも計上が必要。融資を受けた後に法人情報機関への登録があります。その後の融資への審査に関係あるでしょう。

ファクタリングの場合

ファクタリングは借金ではありません。ただし債権譲渡登記の必要があります。

ただ売掛金の入金があるまでは後の融資への影響がない、とは言えません。入金が無事終了すれば、その後影響はないでしょう。また、売上債権を担保に資金を手に入れても、貸借対照法などの書類に記載の必要はありません。

資金調達コストの違い

事業者ローンとファクタリングでは、事業者ローンの方がコストは低いです。例えば100万円を利用する場合、事業者ローンで利息制限法の限度、15%の金利にした場合1年で15万円の利息が必要です。ファクタリングの手数料を相場となっている20%にした場合、受け取れる額は80万円。この場合手数料は20万円です。

一見、コストに5万円の差しかないように見えますが、この2つは対象期間に大きな差があります。事業者ローンは1年で返済した場合、返済期限は365日。対してファクタリングは30日から45日と短期間です。返済期間だけをみたら300日以上もの違いがあるのにファクタリングの手数料は5万円高いのです。余裕があればコストの違いも見ながら自分にあった資金調達法を選ぶといいでしょう。

事業者資金を作るには事業者ローンとファクタリングのどちらが良い?

事業者ローンが良い場合とは

事業者ローンの審査を通過できそうなのであれば、コストの面から事業者ローンの選択をおすすめします。売掛債権が回収できるのは、だいたい1、2ヶ月後。年間15%の利子だとしても、100万円借りた場合2ヶ月で利子が25000円です。

100万円利用した場合のファクタリングは、手数料が8倍の20万が相場です。事業者ローンとファクタリングの両方が利用可能な方は、事業者ローンを申し込むと手数料が安いでしょう。300万など、あまり高額でない融資が必要な方に向いています。

ファクタリングが良い場合とは

ファクタリングの場合、売掛先の信用を使うため自社の信用はあまり問われません。事業者ローンの審査に落ちてしまったり、赤字経営だったりしても資金調達が可能でしょう。事業者ローンでは難しい高額な資金を手に入れられることもメリットです。

事業者ローンでは最高500万とありますが、初回の利用で500万の融資を受けられることは少ないでしょう。ファクタリングは売掛先の信用を審査することで、1億もの資金を調達することが可能です。受けたい資金の額によっては、ファクタリングを選択するのも1つの手ですね。

併用が良い場合とは

事業者ローンとファクタリング、似ているようで違う2つの資金調達方法です。融資が受けられるのであれば、手数料の低い事業者ローンの利用がいいでしょう。

必要額の融資を事業者ローンで受けられない場合は、ファクタリングとの併用をおすすめします。ファクタリングを利用すれば、高額の資金が手に入るでしょう。

事業者ローンかファクタリングか検討する手順

資金調達を行う時には手順があります。

  1. いくら必要か考える
  2. 大手の事業者カード型ビジネスローンに相談する
  3. 中小企業向けのビジネスローンに相談する
  4. ファクタリング会社に相談する

必要な額が高いほど下部の選択肢になります。赤字経営で会社に信用がないのでなければ、手数料が高いためファクタリングの検討は後回しでいいでしょう。

個人事業主にファクタリングは向かない?

個人事業主が利用できるファクタリングは少ないです。債権譲渡の登記ができなかったり、信用が少なかったりするからでしょう。

なぜ個人事業主はファクタリングを利用しにくいのか。売掛債権の額も少なく、事務手数料や手数料を引くとお金があまり残らないからです。そのため個人事業主はファクタリングの利用が難しい傾向にありました。探せば個人事業主が利用できるファクタリングはあります。しかし多くはありません。

100万円からの売掛債権買取りを行っているところもあります。場所によっては30万円などの少額からファクタリングが可能です。個人事業主で少額からの買取りを探している方は、相談してみましょう。

その他の資金調達法は?

銀行融資

銀行融資を受けるためには、資金の使い道と返済計画が重要視されます。資金の用途が明確であればあるほど、融資を受けやすくなるでしょう。また借りた資金の返済計画が納得のいく物でなければいけません。

「公共料金の未納」も融資を受けられなくなる原因となるので、注意してください。税金や給与など、クリーンな営業を目指しましょう。

不動産担保ローン

不動産担保ローンは、不動産を担保に資金を調達する方法です。担保があるため、無担保のローンより低金利で額の大きい融資を受けられるのがメリットでしょう。代わりに、借入金が払えなかった場合は担保の不動産を失います。

カードローンは即日の融資もできるなか、不動産担保ローンは約1週間の日数も必要なことがデメリットの要因です。

掛債権担保融資

ファクタリングの場合、融資ではなく「売掛債権の譲渡」を行いますが、売掛債権担保融資は、「売掛金を担保に融資」を受けます。

担保になる売掛債権の信用によって、融資を受けられる額が変わります。世界ではよく使われている資金調達方法ですが、自国独特の考えから日本ではあまり浸透していません。