事業者ローンの審査方法

ここでは、事業者ローンの審査基準として採用されているスコアリングシステムについて解説しています。

事業者ローンの審査基準はスコアリングが基本

ビジネスローンは無担保・無保証で借りることができるのが特徴ですが、他の融資と同様に審査があります。

融資の審査というと、会社の経営状態や財務状況などを細かく調査して、融資の可否を判断するのが一般的。ただ、この方法では審査結果が出るまでに日数がかかってしまいます。

そこで、審査から融資までをスピーディに進めるために、ビジネスローンで採用しているのがスコアリングという仕組みです。

スコアリングの審査基準

ビジネスローンの審査基準はスコアリングが基本クレジットスコアリングスコアリングシステムと呼ばれます。決算書などの内容をデータベースに入力するだけで、企業の信用度合いを点数化(スコアリング)して、融資の可否から融資枠、金利、返済期間までを即座に決定するものです。

これまで1ヶ月以上かかっていた審査がシステマティックに行われるようになり、3~5日のスピード審査が可能になりました

スコアリングの中身については企業秘密となっており、公開されていません。金融機関各社で属性の点数変換方法や審査の際に重要となる要素も異なりますが、決算書の数字をベースとして融資対象者の年収や業務年数、企業属性、借入状況などが重要視されると言われています。

スコアリングの合計点が高いほど、信用度も高いということになりますので、融資枠は大きくなり金利は低く抑えられ返済期間も長くなります。逆に、どれほど将来性のある事業を行なっていて、経営者の熱意があってもスコアリングシステムの点数に反映されなければプラスの材料にはなりません。

スコアリングシステムによる審査では、決算書の内容がすべてといっても過言ではありません。したがってできるだけ大きな金額を有利な条件で融資してもらうためには、スコアリングの特徴を理解した上で、高い点数を獲得するための決算書を用意することが重要になります。

決算書で特に見られるポイント

財務諸表とも呼ばれる決算書は、会社における一定期間の経営業績、財務状況を表すために作成される書類です。貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書が代表的な決算書に含まれ、会社の経営状況を判断するために活用されます。

なかでも損益計算書と貸借対照表は、会社の経営状態や今後の見通しを図るうえで欠かせない資料です。損益計算書は会社の経営状態、貸借対照表は会社の純資産を確認することができ、融資額の決定に重要なデータとなります。

経営状態

審査が始まると、まず損益計算書で会社の経営状態について調べられます。

ビジネスローンの融資額は申し込み時に金融機関へ提出する書類の内容によって決まります。スコアリングに使用する書類のなかでも注目されやすいのが損益計算書の数字です。

損益計算書は会社の収益と支出をすべて表している非常に重要なデータです。会社の経営状態を知るうえで損益計算書は欠かせません。

損益計算書

会社の一定期間の収益と費用を記し、会社の経営状況を分かりやすく示してくれるのが損益計算書です。会社の経営成績を「収益」「費用」「利益」の3つに分け、一定期間内の経営状態を表しています。損益計算書に記載されている内容を一部ご説明します。

売上高 業務での利益すべての合計
原価 商品を用意するのにかかった費用
売上総利益 売上高から原価を差し引いた粗利益
販売費 商品を販売するために使用した費用
営業利益 売上総利益から販売費を引いた利益
営業外収益 本業以外で得た利益
営業外費用 本業以外で使った費用
経常利益 営業利益+営業外利益-営業外費用

損益計算書の内容で、審査時に注目されやすいポイントをご紹介します。

売上高と営業利益

損益計算書の売上が大きければいいというわけではありません。営業利益が出ているかどうかがポイントです。前期は業績が悪かったとしても今後回復するめどが立っており、十分な根拠を提示できれば融資を受けられることがあります。

赤字でも審査に通る場合がある

当期利益が赤字となっていても審査に通ることがあります。売掛先の倒産が原因で貸倒処理を行ない赤字となった場合や固定資産税の売却で赤字になってしまった場合、社員へ退職金を払い赤字になったときなどは、状況を考慮し審査が通ることがあるのです。

営業利益が支払い利息より大きいこと

融資の借入利息は営業利益から支払わなくてはなりません。支払利息よりも営業利益が出ていることが原則です。単に営業が黒字であれば大丈夫というわけではないのです。

純資産

貸借対照表も事業者ローンを受ける際の大切な資料。貸借対照表から読み取るデータのなかでも、純資産は審査時に注目されやすいポイントです。

純資産は株主から集めた資本と過去の利益から蓄積された内部留保を合計したもの。純資産を見ることによって負債と資産のバランスを確認でき、融資額を判断しやすくなります。

貸借対照表
資産
流動資産
現金・預金・棚卸資産など
固定資産
土地・建物・有価証券など
繰延資産
創立費・開業費・社債発行費など
負債
流動負債
買掛金・未払い金・短期借入金など
固定負債
長期借入金・長期未払い金など
純資産
利益余剰金
株主から集められた資本金・内部留保

純資産がマイナスであれば、会社の資産よりも債務の方が多いことが分かるので会社の経営状況がよくないと思われるでしょう。債務超過の状態だと会社が倒産する可能性があると認識されることもあります。経営を改善する計画を提示し、担当者を納得させなければなりません。

純資産がプラスであっても累計損失が計上されている場合は審査評価が低くなってしまいます。累計損失がある場合は創業時から当期利益の合計がマイナスです。累計損失を解消していくための計画書を提示しなければなりません。

売掛金

貸借対照表でチェックされる項目のうち、売掛金も審査の際に重視されるポイントです。

売掛金は多すぎてもダメ

売掛金は将来現金として会社に入ってくることになりますから、数字が大きいほど良い印象があります。しかし融資の審査においてはマイナスの評価となってしまう場合があるのです。

売掛金の増減が多いとマイナスポイント

売掛金が月によってあまりに偏って計上されている場合は、個別の明細について提出を求められる場合があります。明細に記載してある企業についても調べられるでしょう。倒産の恐れがある場合は売掛金が回収できないことも想定します。

売掛金の架空計上をチェック

架空計上がないかを見極めるため売掛金をチェックされることがあります。審査を通りやすくするために在庫や売掛金を架空計上する会社が存在し、帳簿上の利益を実際よりも大きく見せているのです。会社の粉飾決算は在庫や売掛金の架空計上によるものがほとんどだと言われています。架空の売掛金を計上することは簡単ですが、審査の際すぐに見つかってしまうでしょう。

売掛金の支払期日が長い

売掛金が多すぎたり長期間にわたる場合も粉飾決算や会社の資金繰りを圧迫しているのではないかと疑われます。売上だけ発生して手元に現金が入っていないことになるので、会社の資金は減少。その間にも従業員の給与や次の仕入れに資金は必要になってきます。売掛金の回収管理はしっかり行ない、回収が遅れている理由があれば事前に説明しておきましょう。

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