手形貸付

ここでは、短期融資として利用される手形貸付の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

1年以内の短期融資に利用される手形貸付

手形貸付は銀行や信用金庫などの金融機関に手形を差し出すことで、資金を調達する方法です。基本的な仕組みとしては、借用書の代わりに銀行宛に約束手形を振り出して、銀行から資金を融資してもらいます。融資を受けた後は期日までに返済することで取引が完了されます。

銀行に振り出される約束手形は有価証券の一種です。支払人・受取人・金額が記載されています。株式や債権、小切手などと同様の扱いを受ける書類と考えていただくと良いでしょう。

手形貸付は1年以内の短期融資に利用されることの多い資金調達方法です。支払い期日や支払い額は銀行取引約定書という契約書で予め定めておくので、手形を振り出す際や融資を受ける際に、いちいち契約を交わす手間がありません。

手形貸付によって融資を受けるには、当座預金の口座開設が必要になります。銀行と当座勘定取引契約を結び、約束手形用紙を交付してもらわなければなりません。

また、手形貸付には支払い期日が設定されているので、期日までに返済額を当座預金口座に入れておく必要があります。期日に間に合わずに不渡りを出してしまうと信用が低下するので、注意してください。

手形貸付のメリット・デメリット

手形貸付は1年以内の短期融資によく利用される資金調達方であり、資金調達者にとって多くのメリットがあります。しかしデメリットも存在しているので、両面を理解したうえで利用しましょう。

メリット

審査が早い

手形貸付では審査が早く、最短で即日融資が可能な場合もあります。ただし、審査スピードが早い理由は債務者の信用力が高いためです。債務者の取引歴や業歴、業績が基準以上を満たしているからこそ、銀行側のリスクが低くなり融資が早くなります。

金利が安い

手形貸付では一桁台の低金利での借り入れが可能です。金融機関や債務者の財務状況によって異なりますが、手形貸付の金利は1〜4%。金融機関の中には金利の高いところもあるので、利用前に実質年利を確認しておきましょう。

返済方式を選択できる

期限内であれば返済方式も自分で選択できます。手形貸付の返済方式には一括返済と分割返済の2種類があり、一般的には一括返済が主流です。

デメリット

長期決済ができない

手形貸付は短期融資に利用される資金調達方法です。融資を受けてから返済までの期間は6ヶ月から1年以内と短期間であり、長期決済ができないというデメリットがあります。余裕をもった返済計画を立てにくいので、資金繰りの悪化に注意が必要でしょう。

返済が間に合わないと信用がなくなる

返済期日までに間に合わないと、金融機関からの信用が大幅に低下してしまいます。1度でも不渡りを出した半年後にまた不渡りを出すと、銀行取引を強制的に停止される事態に。事実上の倒産とみなされるので、注意が必要です。

手形貸付の審査

簡単な手続きで融資を受けやすい

一般的に金融機関と融資取引を行う場合、借用書や金銭消費貸借契約証書などを作成する必要がありますが、手形貸付では手形自体が証書の役割を果たすので手続きを簡略化できます。手形を振り出す前に銀行取引約定書を銀行に差し入れていれば、手形へのサインと捺印だけで取引が可能なので、手続きさらに手短にできるでしょう。

審査は早いがチェックが厳しい

手形貸付には手続きが簡単で融資実行までのスピードが早いというメリットがあります。その一方で、債務者へのチェックが厳しいのが特徴です。金融機関との取引歴・業歴・業績の3つが必須であり、それぞれの最低基準を満たしている必要があります。取引歴と業績が問題となって個人事業主の場合、融資を断られる可能性もあります。

手形貸付を利用する際の注意点

最も重要なのが、返済期日を厳守すること。手形貸付の場合、返済期日は半年から1年以内で一括、または分割方式にて返済を行います。返済期日までに当座預金口座に返済金を用意できなければ不渡りとなってしまいます。

不渡りを出せば金融機関との信頼関係がなくなってしまい、1度目の不渡りから半年以内に2度目の不渡りを出すと、実質的な倒産とみなされて銀行取引停止処分を受けることになります。

不渡りを出した情報は他の金融機関にも通知され、普通預金の差し押さえなどもあるので、事業の継続が困難な状態に陥ってしまうでしょう。