証書貸付

ここでは、契約書を差し入れることで融資を受ける証書貸付の特徴やメリット・デメリットについて解説します。

金融機関と契約を交わして融資を受ける証書貸付

証書貸付は銀行や信用金庫などの金融機関と証書を交わして融資を受ける資金調達方法です。この証書は金銭消費貸借契約書とよばれるもので、記載された契約内容を確認したうえで記名・押印を行い、金融機関に差し入れることで融資を受けます。

証書貸付で用いられる金銭消費貸借契約書には契約日・借入金額・借入利率・遅延損害金・返済方法・返済期間・貸出人・借入人・連帯保証人など融資を受けるための条件が細かく記載されています。契約時に決められた内容を後から変更することは基本的にできないので、注意が必要です。ただし、金融機関との相談により例外的に契約内容を変更して再度契約書を発行する場合もあります。

証書貸付で金融機関から融資を受ける場合、保証会社が連帯保証人になるのが一般的です。しかし、保証会社が保証人になるからといって誰でも融資を受けられるわけではありません。返済不能になった時点で保証会社が一旦債務を肩代わりする形になりますが、後ほど債務者への請求が行われます。このため証書貸付で融資を受けるには、金融機関と保証会社の両方の審査を受ける必要があるのです。

証書貸付は設備投資や長期運転資金など事業用資金の調達として利用されるのが一般的です。特に金融機関に差し入れる証書は5〜20年と長期に渡る融資に利用されるのが多いでしょう。また、一括返済ではなく分割返済が利用されることが多く、返済計画を立てやすいのも大きな特徴です。

証書貸付のメリット・デメリット

長期的な事業用資金の調達に適している証書貸付にはデメリットとメリットが存在します。利用する前に双方について確認しておきましょう。

メリット

高額借入に適した資金調達方法

証書貸付は個人でも法人でも借入が可能で、長期に渡って返済を行うのが一般的です。企業の場合は、設備投資や運転資金としてまとまったお金が必要な際に適しているでしょう。企業の返済能力によって受けられる融資額が異なっており、証書貸付を利用するのであれば最終利益と減価償却費の項目が重要です。

分割返済が可能で計画が立てやすい

証書貸付で融資を受けた場合、長期間にわたり分割で返済していくのが一般的です。金銭消費貸借契約書を作成する際に5年・10年・20年などと返済期間を予め決めておけるので計画的な返済が可能です。毎月の返済額を少しでも抑えられれば、事業継続への負担も軽減できます。企業の場合であれば収益を上げるための設備投資として資金調達することが多いので、無理なく計画的に債務を返済できるでしょう。

カードローンと比べて審査に通りやすい

証書貸付の場合、資金使途を金融機関に提示しなければ融資を受けられません。金融機関が資金使途を把握・管理できるため、資金使途が自由なカードローンと比べて審査に通りやすいメリットがあります。審査の際に資金の使用目的が分かっていれば、金融機関としても貸し倒れのリスクが低く安心して融資を行えるのです。証書貸付では月々の返済額や年間の返済額をキャッシュフローと照らし合わせて審査を行います。企業の経営に無理がないと判断されればスムーズに審査を通過することができます。

デメリット

契約するには手間がかかる

証書貸付を利用するには、実際に金融機関を訪れて金銭消費貸借契約書を作成しなければなりません。変更や追加の借入を行う際にも必ず金融機関にて行われます。WEBや郵送での契約ができないため、証書貸付を利用するには少々手間がかかってしまいます。繰上返済を行う場合にも金融機関との相談や交渉が必要になってしまうのはやはり面倒と言えるでしょう。

印紙代に高額な費用がかかることがある

証書貸付にて融資を受けるには金融機関の手数料と印紙税の支払いが必要です。融資額が高額であればあるほど収入印紙代も高額になります。融資額が1万円未満の場合は非課税ですが、1万円を超えると200円から最高60万円の収入印紙代がかかってしまいます。証書貸付を利用する前にかかる費用を確認しておくのがよいでしょう。

運転資金として融資を受ける場合には注意が必要

運転資金として証書貸付を利用する場合には注意が必要です。運転資金として融資を受ける際には、簿記のルールに従い借入期間は原則1年以内となります。

融資を受けたことによって12ヶ月分の運転資金を賄うことはできるでしょう。しかし、13ヶ月目以降に経営状況が改善していなければ、赤字の状態でも借入金の返済を進めなければなりません。融資を受けたことで資金繰りが悪化しないように注意が必要です。