事業者ローンのデメリットといわれる内容をリサーチしました。
事業者ローンと呼ばれる金融商品は、公的融資や銀行融資に比べると無担保で審査スピードが早いなど、借り手側にとってメリットが多いのですが、同時にデメリットも存在します。
事業者ローンは、公的融資や一般の銀行融資に比べると金利は高くなります。実質年率は、概ね10~18%。決して低金利とはいえません。
金利が高いということは、最終的な返済額が大きくなるということですので、融資額が多くなればなるほど返済しにくいという状況が生まれます。
審査は無担保で、保証人も不要というのがほとんどですので、貸し手側(融資会社)からするとリスクを負うことになります。したがって、金利を高くすることでリスクを軽減させることしか方法がありません。金利が高くなってしまうのは、無担保・無保証の裏返しといえるのです。
つまり事業者ローンは金利が高いからこそ、審査がスピーディーで通りやすく、最短で即日融資が可能であり、担保・保証人なしで借入できるのです。金利が高いというデメリットは、複数のメリットと密接な繋がりがあることを覚えておきましょう。
事業者ローンは、少人数の中小企業や零細企業にとって、急に資金が必要になった場合に、すぐに対応してもらえる利便性の高いローン商品です。スピーディーに借りられる性質を活かして、短期の資金繰りに利用することが得策だといえます。
政府系の金融機関や銀行などに比べると、借入限度額が低く設定されています。300~500万円というところがほとんどですので、多額の資金が必要という場合には向いていません。
仮に限度額が高く設定されていて借り入れをすると、金利が高い分返済がなかなか進まず、金利分しか返すことができないといった状況に陥ることも考えられます。
貸し手側としてもその辺の事情を理解した上で、限度額の設定を行なっているのです。返済期間が比較的短めに設定されているのも同じ理由から。事業者ローンとは、そうした性質のものであるということを知っておくべきでしょう。
限度額の設定は、スコアリングシステムで決められています。
スコアリングシステムとは、決算書などの数値を入力することで、融資可能額や適用金利、審査の可否などが自動的に計算されるシステムのことです。業種、売上規模、融資額、決算数値などの申し込み情報をシステムに打ち込むと、過去の融資データから自動的に、貸し倒れ率が計算される仕組みになっています。
この貸し倒れ率をもとに、ローン会社が利益分を上乗せした上で融資可能金利や限度額、融資可能かどうかを判定しているのです。
事業者ローンは住宅ローンや自動車ローンと同様に、定型貸出のひとつで、あらかじめ決められた条件に合致しないときは、審査が終了して融資はできなくなります。
審査の際に提出する書類は決算書がメインとなりますが、その内容をスコア化して即座に結果が出るようになっているのです。事業者ローンの特徴のひとつに、審査に時間がかからないことがありますが、これを可能にしているのがこの仕組みです。
一般の銀行融資は非定型貸出と言われ、融資の内容や条件を検討しながら決めていくことができますが、事業者ローンはある意味システマチックに審査が進められるため、交渉して柔軟に対応してもらうといったことができないシステムになっています。
不動産担保融資の場合には、資金用途を明確にする必要は特にありません。ですが、ビジネスローンを組むとなると話は別で、「ビジネスに必要な資金として使う」と制限がかかってしまいます。中でも、資金用途がはっきりしないときは審査が通りにくいようです。
理由としては、借りた資金の使い道が決まらないまま借り入れをしてしまうと、資金を借り過ぎてしまう場合が考えられるから。そうなると、返済できずに苦しむケースも想定されるからです。
注意しておきたい点として短期間のうちに何度も申請すると、審査に通りにくくなる可能性を高めてしまうといわれています。
逆に言えば、目的さえはっきりしていれば事業者ローンを上手く利用できるので、事業者ローンを組みたいと考えている方は、しっかりと使用目的を考えて、審査を受けるようにしましょう。
悪徳業者からの借り入れを防ぐ方法の一つに、日本貸金業協会が提供している 悪徳業者(ヤミ金)のクイック検索を利用する手があります。借りる前に、一度、業者の名前をチェックしてみましょう。
参考:ヤミ金(悪質業者)の検索 【借金・借入について】 | 日本貸金業協会
https://www.j-fsa.or.jp/personal/bad_contractor/search/
もう一つの方法は、貸金業登録番号の確認です。貸金業登録番号は、「関東財務局長(3)第01234」などと表記されています。更新は3年に1回で、カッコ内の数字の数が多ければ多いほど、長い間営業していることになります。営業期間が長ければ良いというわけではありませんが、長期に渡って経営できている安心感から今後も長くお付き合いできる、信頼に足る会社だと受け取れるでしょう。
事業者ローンはあくまでも借金であり、借りたお金は当然返済しなければなりません。事業のためとはいえそのことを意識せずに限度額目一杯まで借りてしまうと、金利が高いために利息分の支払いに追われ、なかなか元金が減らないという事態になります。コンビニでも手軽に借り入れができてしまうため、足りなくなったらまた借りれば良いと安易に考え、借金が常態化してしまう危険性も。最悪の場合では、自己破産に陥る企業も存在します。事業者ローンは、借金であるということを念頭に置き、目的や計画性を持って利用してください。
事業者ローンのデメリットは、金利が高いこと。ランニングコストや設備資金など、長期の借り入れには不向きです。利息の負担を減らすためにも、短期の資金繰りとして活用することをおすすめします。
次回の入金まで資金が足りない、銀行融資や公的融資の審査が通るまでのつなぎ資金、補助金や助成金がおりるまでの資金などの利用であれば、事業者ローンの「迅速対応」「保証人・担保なしでも借りられる便利さ」などのメリットが活かせるでしょう。